晴れ、ときどき京都

3年間の京都暮らしから地元に帰ってきました。

「カステラドパウロ」で異文化比較体験

晴れてしまった。今は梅雨まっさかり。雨だったら、今日くらいはおとなしく自宅で本を読んでいるつもりだったのに。なら、行くしかないよね!とまだお昼前だというのに外に飛び出してしまった。ちょうど昨夜すごく気になるお店を見つけていたのだ。

「カステラ」のルーツはポルトガルの伝統菓子「パォンデロー」にあるのだという。16世紀の長崎や平戸に伝えられた「パォンデロー」は、日本で独自の進化を遂げた。味だけではなく見た目にもこだわり、450年かけて洗練されていった。その「カステラ」を故郷であるポルトガルに里帰りさせて店をひらき(長崎で修業されたらしい)、さらにはポルトガルの伝統菓子を今度は日本にも伝えようと京都に店を開いたのが、「カステラドパウロ」の店主であるパウロ・ドゥアルテさんなのだった。

……とまぁ、そこまで調べてお店に出かけたわけではなく、最初はすごく可愛いお店なので、ランチでも、というくらいの気分であった。まだちょっと時間早めだったのに頼んだランチがこちら↓

https://www.instagram.com/p/BTiV-euBcKA/

Instagram

 

ランチは日替わりの一種類だけで、スープやドリンクは選ぶことができる。お料理にしろお菓子にしろ、とにかく赤ワインが合うらしい。下戸には悔しい限りである。仕方なくアイスティーとスープはガスパッチョをいただく。

待ち時間の間、「パォンデロー」に関する(上記のような)逸話を読んでいたら、パォンデローにふつふつと関心が湧いてきた。かつ、下記のようなポルトガル人のおおざっぱさもなんだか楽しく思えてきて。

どうしてポルトガルではパォンデローがカステラのように進化しなかったのでしょうか?答えはポルトガル人は日本人のように物事に深くこだわらない人たちだからです。ですから、何世紀もの間、パォンデローはポルトガル人の菓子職人の努力なしにきたわけです。つまり、今もってパォンデローを焼くのに微妙な感や技術は必要ありません。「まぁまぁの味で、まぁまぁの形」であればいいのでしょう。作る側も食べる側もそれ以上を求めないのですよ。残念ながら。 『ポルトガルのお菓子工房』より 

こういうの、「日本すごい!」案件になってしまうのだろうけど、そういうポルトガル人のおおらかさもいいじゃないですか。「雑だ、雑だ」といろんな日本人に言われ続けてる私ですので、個人的には、けっこう気が合いそうな気がします。

「パォンデローが気になります……」とお店の人に訴えたところ、「パォンデローも地方によっていろいろありまして、一口づつお試しできる”食文化比較体験セット”がおすすめです」と言われて、結局そちらも注文(…食べ過ぎです…)。

https://www.instagram.com/p/BG-wfu7KEo8/

いろいろな地方のパォンデロー

一番前方にあるカステラらしい形をしているのが、店主パウロさんのカステラです。どれもとても美味しかったですよ。……日本にわざわざ修業しにきたことといい、パウロさんは物事に深くこだわるレアなポルトガル人なのか…などといたらんことを思いながら店を後にしました。

https://www.instagram.com/p/BG_A7y0KEoR/

店内のキュートさ!

 

 

castelladopaulo.com